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南吹田まちリノベーションプロジェクト#2

#1の続きです。
実はこっそり#1の写真に2017年4月撮影分(室内)を追加してます。
改めて、ご確認をお願いします。

さて、#2は具体的なリノベーション企画のはじまり(脳内)と
DNAさん、川端に次いで、プロジェクトに乗船してくる3人目のリノベーションメンバー(実行部隊)の紹介をします。

そもそも、僕の中で、この街のリノベーションのイメージとして出て来ていたのは、
映画「スワロウテイル」に出てくる街。円都と書いて、イェンタウン。

味わい深い街並みの中で、そこに生きる人のリアル(現実、生活)が描写されていく。

この時点で、こんな想いはあった。
〇現代では見ることが少なくなった、人の生活が垣間見える美しい景色を残す。
〇できる限り、まちの表情を変えない、必要以上に建物を新しくしない。
〇ハード(建物)面は変えずに、ソフト(使う人、使い方)面を変えるコトにより、
 街を次の時代へ生き繋げたい。
〇誰かが作った、仕上がった空間ではなく、地面から、
 雑草のように生えて来た生命力あふれるアジアのまち。

しかし、それだけでは、何かが足りないとも感じていた。
ハード(建物)を大きく変えないとはいえ、少なくとも、外に対して、街が変わりゆく事が伝わらないといけない。

まちのイメージを象徴する名前とそこから繋ってくるプラスαが欲しかった。

ちなみに、僕は、リノベーションの企画をする時、物件名をボンヤリイメージしながら、進める事が多い。その中で、物件名にもアジア感は外せないなとボンヤリ思っていた。

僕はよく音楽を聴くのだけれど、その時期に、Amberとかamber musicとか、よくAmberというタイトルを目にする事があった。目(字面)でも耳(音)でも、かっこいい言葉だなと思っていた。

だから、Amberってどういう意味なんだろうと思って、調べてみたら、琥珀だった。
琥珀って何だ?と思って、画像検索をすると、虫の入った玉みたいなのが出てきた。
こりゃ、ダメだなと、使えないなと思って、脳のファイルにしまっておいた。

South Suita Amber Town、日本語なら、南吹田琥珀街。
英語ではもちろんの事、日本語でも、アジア感が炸裂して、かっこよかったのになとか思いながら。

そうしている間にも、DNAさんからは企画書を持って来てと言われている。

このプロジェクトの関係者は、その時点では、セイベ株式会社さん(事業主)、S谷さん(事業主とプロジェクトメンバーとのとりまとめ役)、以下実行部隊→DNAさん(設計、京都)、川端(不動産、京都)。

この街が目指す方向とプロジェクトメンバーの振れ幅のバランス的に、大阪在住のアーティスティックな感覚を持った女子が一人、必要だなと感じていた。そして、メインの職能としては、ウェブサイト周りができて、かつ、イベントにも関わってくれるような人。

当時、あんまり知らなかったんだけど、なんだか、この人が頭に浮かんだ「白子侑季
グラフィックデザイナーとアーティストとしての顔を持ち、デザインを中心に活躍の範囲は広い。

彼女を呼び出して、現場を見に行った。

お互い、相手が何者かもよくわからない中であれやこれやと話したが、とりたてて覚えてない。
きっと、こういうプロジェクトで、こういう事をしたいと思っている的な事を一方的に話たんだろうな。

打ち合わせの帰り道に、彼女とメッセージのやり取りをしていた中で、
確か、彼女が何か色を使って、街を統一したイメージで包めないかな?みたい事を言った。

その時に、唐突に、琥珀を思い出した。

琥珀色?もう一回、画像検索。

すると、照明が出て来た。

しかも、琥珀は鉱物ではなく、長い年月をかけて樹脂が化石となったものらしい。

このプロジェクトに戻る。
ハード(建物)を大きく変えないとはいえ、外に対して、街が変わりゆく事は伝わらないといけない。
そして、一見すると、進化が止まっているように見える、板が目立つ長屋が軒を連ねる集落や街に不安感を抱く人も少なくないと思う。

これらの課題に対して、琥珀のように、長い年月を積み重ねてきた街を台無しにするかのように、すべてを新しくして、きれいに見せるのではなく、ハード(建物)面はできる限り変えずに、ソフト(使う人、使い方)面を変えるコトにより、 街を次の時代へ生き繋げる。そして、琥珀色の照明でまち全体を照らす事により、安心感や落ち着き、あたたかさ、懐かしさを補完し、まちとしての価値を付け加えられる。

South Suita Amber Town、南吹田琥珀街が、脳内で走り出した。

続きは、#3に。

※プロジェクトの工程的には、現在、まず、41-eと41-wから工事をしており、完成し次第、募集開始。今後、34,34-sw,38-n1,49-4,44,白ゆり荘を時間差でリノベーションしていく予定です。

写真は、2017年10月撮影、先行して仕上げる41-eと41-wの解体が終わった状態。