HOME > BLOG > KAWABATA channel > Case Study > 南吹田まちリノベーションプロジェクト#7
2019-01-26
#6の続きだよ。
そりゃそうだ。
一期工事から、季節が何度か変わりました。
さて、街が再び、動き出しています。
そこで、改めて、僕がこの街、このプロジェクトで実現したい事のふたつめを。
ひとつめがだいぶ前になっちゃったので、おさらい→南吹田まちリノベーションプロジェクト#5
もうひとつのやりたい事ね。
#2や#5でも書いた。一見すると、進化が止まっているように見える、波板が目立つ長屋が軒を連ねる集落や街に不安感を抱く人もいると思う。誤解を恐れず言うと、こういう集落、こういう街は得てして、イメージが良くないと思っている人が少なくない。
なんで、こんな事を繰り返し書くのかと言うと、それを覆したいから。
こんな感じが好きだって人以外の人にも魅力に気付いてほしいからさ。(2回目)
そして、こういう集落やこういう街にある建物単体のイメージも同様にあんまり良くないよねと思っている人も少なくない。平家、長屋、波板って聞いて、怪訝そうな顔をする人も少なくないだろう。
そんな事ないよ、美しいよ。って事をここで証明したい。
ハード(建物)は大きく変えなくても、ソフト(使う人、使い方)を変える事によって、街が緩やかに変わり、結果として、建物のイメージすらも変えられると思っている。
高度経済成長からバブルの波から漏れたような形になって、進化が止まっているように見える集落、街、建物。
それって悪い事なの?
高度経済成長やバブルなんて、当の昔に限界が来てるって言われてて、その波に乗っていない事は悪?えっ!むしろ、正しいんじゃないの?
当の昔から、高度経済成長からバブルの流れにも限界が見えていて、リーマンショックがあって、次、どうすんの?って気付き始めたり、次のやりかたを模索している人も多い。
あの頃から作られ始めた、絵に描いたような幸せがあるかのように作られた街はあの頃時点の理想(夢、想像)に過ぎないと気付き始めている人は増えている。
今の時代と合わなくなってきてるんじゃないかと。
だから、僕は思っている。遅れていたと思われていた街が、実は、先を行ってんじゃないかなって。
時代は回るよ、ぐるぐる回る。流行り廃りもそう。繰り返す。
だから、こういう街にこそ、可能性はあるんじゃないかなって思うんだ。
こういう街に、次の時代のヒントはあるはずなんだって。
時代は回るとか、繰り返すって書いたけど、ポイントは、同じように繰り返しているように見えて、実はまったく同じ事の繰り返しではなく、少し進化をして、同心円状に緩やかに広がりながら、一回り外を回っている点。年輪みたいにね。その少し進化をさせるところがポイント。昔がよかったから、昔に戻そうではない。
だからといって、どこかの再開発みたいに、すべてをスクラップ&ビルドするのではなく、
今までのこの街の歴史の蓄積をすべて根絶やしにするかのように、大袈裟に変えるのはなく、
その街が持つ、その街だけが持つ美しい景色をできるだけ変えずに。
だから、このプロジェクトはこのプロジェクト単体の問題ではない大きな使命を抱えているんじゃないかと思っている。
これからの日本全国の住宅事情、事務所や店舗事情、建物や街との向き合い方なんかの大きな指針になるんじゃないかってね。人が少なくなっている集落や古くなって来ていている建物のスクラップ&ビルドの再開発以外の方法。
そして、こんな事を言うのは、どうかと思うんだけど、今やっているリノベーションの工事の内容は、それだけで大きく何かを変えるものではなくて、言ってしまえば、街を耕して、南吹田琥珀街の街人を集めるためのもの。言わば、土壌づくり。
僕らはそこに全力を注いでいる。
そう、すべては、この街を一緒につくってくれる、あなたにここに来てもらうためのもの。
ここから始まる、僕たちが歩むべき未来の街を一緒につくってくれる、あなたに来てもらうため。
だから、このプロジェクトの工事が終わっても、何も終わらない。
むしろ、始まるの。
これを読んでくれているあなた。
あなたですよ。
気付いてるでしょ?気づき始めてるでしょ?
あなた。
このままいくはずないわなって。
だからさ、ここで一緒に始めてみましょうよ。
今までの常識やこうであるべきだ、こういうもんだと教えられたモノから解き放たれた
過去のような未来のような美しき街で。
※41-e と41-wは、リノベーション完了、入居済みです。
※現在、2期工事中、平家の長屋を3棟と倉庫1棟(2戸)をリノベーション中(2019年2月完成予定)。
34(長屋) /約36.26㎡(約10.96坪)
34-se(倉庫)/約13.63㎡(約4.12坪)
34-sw(倉庫)/約13.63㎡(約4.12坪)
38-n1(長屋)/約55.38㎡(約16.75坪)
49-4(長屋)/約42.26㎡(約12.78坪)
※賃料に関して、倉庫は3.0万円程度、長屋は5.5万円~10万円程度を予定しております。
※用途は居住兼アトリエ、居住兼オフィス、アトリエ、オフィス、店(業種により)などの用途相談可 ※アトリエは、音が出るものは不可
今後、長屋1棟と木造アパート1棟(12室を8室にする予定)のリノベーションを予定しています。