2021-08-08

屋根裏のフェアリー。

以前、僕の事務所があったSOLUMの屋根裏には、妖精がいるらしい。

まことしやかにささやかれていた噂。
そんな噂を耳にした事がある人はいませんか？

そう、SOLUMの屋根裏には、妖精がいました。

でも、それは過去の話。
今はもう、誰もそこにいない。

ここは、ものづくりの妖精のアトリエだった場所。
正確には、作品を創るアーティストのアトリエだった場所。

妖精は、このアトリエでものづくりをして、そして、次の冬を迎えずに、僕らの前からいなくなった。

ひょっとして、元から、いなかったのかな？そんな気にもなる。

ううん、そんな事はない。

彼女が作った棚なんかが、アトリエに、そのまま残っているから。

そうやって、空間が使い手によって、少しずつ形を変え、受け継がれていく事はいい事だと思う。

すべてを原状回復してしまう業界だけどね。

そこで過ごした人の時間を無に帰さない。
その空間が経て来た時間を無に帰さない。

地層のように、少しずつ、積み重なっていく痕跡。

そして、その後、ネイルの妖精のサロンになった。
この妖精さんも、この春にSOLUMの別の部屋に移る事になりました。

魔女の宅急便のキキがいたような屋根裏部屋。
隅っこの方は、天井が低くなっているから、大柄の男子には厳しいかも。

今、このアトリエは、寂しそうに新しい主が現れるのを心待ちにしています。