2021-09-02

ドコカのマチのフクゴウシセツ。

今年の初夏、友人から連絡があった。

また物件を手掛けたので、来てくださいーと。

話を聞くと、どうやら、そこは3つの区画からなる複合施設だそうだ。

複合施設ってガラの場所じゃないよなーとかなんとか思いながら、現場へ。

現場を訪れた時、京都っぽくない場所？建物？施設？空間？空気？だなと感じた。

うん、空気だな。

人が少なくなりつつある、どこかの地方（地方って言い方嫌いだな、他に何か言い方ないのかな？）にあるまちの建物で、そこを若い？いや、年齢じゃないな。そこで何かをやろう！って、情熱先行型で、誰かが自らリノベして、作った施設のにおいがした。

ドコカのマチのフクゴウシセツ。

この感じ、わかるかな？
このニュアンス、伝わりますか？

そのまちにすでにある価値の上に施設をつくるのではなく、そのまちに新たな価値を作ろうとして生みだされた施設に見えた。

うん、いい表現だ。

そして、予算の関係か、彼のセンスなのか、感覚なのか、計算なのか、わからないけれど、随所に、余白が残されていると感じた。結果として、残ったとも言えるのかもしれない。

込められた想いや成し遂げようとする大きな何かに引っ張られた、トゥーマッチで押しつけがましいデザインをしていない。

ここからのゼロスタートだなと思った。いい意味でね。

リノベーションが完了した時点で、地面から芽だけが出ていた。

ここに入った人がこの施設に水をやって、ここを他にはない色の花を咲かせる魅力的な施設にしていくのだろうなと感じたんだな。

そういう意味での余白の可能性を感じた。

なんで、ここ？そういう声もあるだろう。

きっと、ここがここにある価値を、意味を感じ取った人が入居するのだろうと思う。

だからかな？入居希望をした人が、この施設に合う人かどうかといった審査などしなくても、近い感覚の、近い感性の人たちが自然と来るような気がした。

そして、ここを選ぶ感覚というのが、どこかの地方のまちにある建物を選ぶ時と似ている気がしたんだな。

ドコカのマチのフクゴウシセツ。

そのまちに根を生やし、新しい価値をつくる。

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追記、先日、ここの案内に行った時にふと感じた事。

ひょっとしたら、ここ全部を借りる人？法人？なんかも可能性があるなと思った。もしくは、数人の仲間でシェアなんかも。

それらって、ここの主張や色が強く出ていないからこそ出てくる可能性だなと。

無色透明って言葉あるでしょ？

その感じでいくと、木色透明な感じ。変な言葉だけど。

この感じ、わかるかな？
このニュアンス、伝わりますか？

さぁ、このドコカのマチのフクゴウシセツでは、ドコのドナタが美しいハナを咲かせて、ドンナ甘いカジツを実らせるのだろう？