2022-09-21

ホワイトスチールビルディング。

僕が、この建物と初めて会ったのは、2013年の事らしい。

PCのフォルダ内の記録がそう言っている。

今は何年だ？2022年？9年前という事になる。

今回、当時、入居いただいた方が退去されたため、久しぶりに、この物件を募集する事になりました。

9年前に書いた物件紹介文は実に稚拙で、闇に葬った。

なので、今回、書下ろし。

素材としては、それぞれのワンフロアが17坪ほどの鉄骨造3階建てのビルと13坪ほどの木造平家の離れ。

用途としては、多岐にわたるだろうな。

誰かがここを使ってくれて、初めて、この素材は化けるんだろう。

今は、何にでも姿を変えるシンプルな素材。

そもそも、この建物は、貸すためにつくられたモノではないので、使いにくさや管理のしにくさはあるかもしれない。

ここのオーナーさんはかつて、ここに住んでいた。

当時、大好きだったバイクをウインチで3階まで釣り上げて、3階の居住スペースにバイクを飾り、共に生活をしていたそうだ。

ただし、鉄骨の建物なので、最上階の3階は暑い。夏場は、木造平屋の離れで生活をされていた。ちなみに、風呂はなく、シャワーのみ。

1階は車やバイクをたらふく置くスペース、2階はいろんな用途で使える天井の高いギャラリーのようなスペース。

オーナーさん自身が自分のためを考え、使いやすいように、デザインし、生み出された建物。

そういう建物なわけで、しかも、9年前の当時は、貸し方も使い方も、今ほど選択肢はなく、物件紹介文も取っ散らかっていた印象。

でも、あれから、9年の月日が流れ今。

空間や建物の使い方、用途もぐっと幅が広がり、この建物を軽快に乗りこなしてくれる人たちがいるだろうなと思う。

だから、むしろ、僕の文章が使い方の幅を狭めるような事はしたくない。

これを見てくれているあなた、もう具体的な使い方が見えてるんでしょ？連絡待ってます。

うふ。

物件紹介文は、ここで終わり。

追伸、最後に、今回、オーナーさんに会った時の事を書いて、終わろうと思う。

今回、募集を始めるにあたって、写真を撮りに行った時に、オーナーさんと少し話をした。

今は少し遠方にお住まいで、話す機会も多くない。

いろいろな話をしている中で、この物件を任せたのが、川端くんで良かったわって言ってくれた。川端くんに会えて良かったって。全部、繋がっているよねって。

大前提、仮に、思っていても、多くの人は面と向かっては、あまり口にしない言葉だ。

そんなに深い意味で発せられたわけではない言葉だとは思うのだけれど、実にぐっと来たな。とてもうれしかった。

この仕事を長年させていただいていると、いろんな人と関わる事が多くなる。いろんな人と関わる時間も長くなる。特に、僕のやり方は、単に仕事をして、お金をもらうというよりは、人との関わりを大事にする。お金をもらって、はい、終わり。ではない。

もちろん、そもそも、そんなの求められてなかったり、時間的にとか、限界や限度はあるんだけどね。

関わる事が増えたり、関わる時間が長くなったり、そりゃ、良い事も良くない事も起こるじゃない。普通よりも、深く長く関わるんだから、良い事や良くない事も起こりやすいし、何よりも、僕自身が相手の心の動きなんかに気づいてしまう。少し過敏に。

良かれと思ってやった事が良かれにならなかったり、考えもしなかった事が起きたり。複数の人が関わる事によって、問題が複雑化したり。

自分の精一杯、心で判断して、頭で考えて、行動した事がうまくいかなかったり。

そんな事も起こるじゃない。生きていると。

だからかな、そんな一言に、マジで心が救われた。そのまま行けよ！って言ってもらえている気がした。

これからも、僕にしかできない事を僕にしかできないやり方で、やり続けようと今一度、思ったって話。

一見、物件情報にあまり関係なくみえる、長ったらしい、この話をなんで書いたのかなー？と思ったら、いつも、僕は物件を仲介しているんだけど、きっと、建物と人っていうよりは、どこかで、人と人って思ってるんだろうなー。僕が仲介させてもらっている物件の後ろにはいつも誰かしらのオーナーさんがいて、その人が垣間見えるエピソードを紹介したいなと思ったんだろうなー。

なんてね。