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レイドバックルーム。

RENT満 室ファミリーシングル住 居大 阪

さて、書き始めよう。

始まりは、いつもお世話になっている不動産屋さんからの連絡。

親戚が分譲マンションを一室持っていて、売ろうか、貸そうか、自分で住もうか、迷っていると。

とりあえず、見に行かせてもらいました。

JR吹田駅から徒歩2分、角部屋で風もよく通り、素材としては申し分ない。

売るのはいつだって売れるじゃない?だから、基本的に僕は売る事をオススメしない。よほどの事情がない限り。

だって、売っちゃうと終わっちゃうから。

賃貸の良いところは、ストーリーが続いていくところなんだな。

売るは終わりだけど、貸すは始まり。

売主と買主の関係は契約でゴールだけど、貸主と借主の関係は契約からがスタート。

あとになって振り返れるんだよ。この部屋には、以前こんな人が住んでいたな、結婚して退去されたなとか、はたまた、同棲していたカップルがここに住んでいる時に結婚したなとか、新婚のご夫婦がここに住んでいる時に、家族が一人増えられたな、なんて。

賃貸は、貸主が事業として貸すという事だけに留まらず、その先に、そこに暮らす人の生活の営みがあったり、暖かさを感じられるところが良いと思う。

誰かにそういう場所を提供できるって、すごい事だと思うからこそ、僕はまず、持っていられる状況を保てる事を前提に話をする。

例えば、貸す場合で、今のままで貸せるのか、はたして、いくらで?

この状態から、これくらいの金額をかけると、これくらいの賃料が取れますね。その場合、〇年で投資が回収できますね。

今回の話で言うと、そのままでは住めない。住むための改装ですらも、お金がかかる。改装して、自分で住む。まるまる投資したお金は消えてしまう。

でも、もし直してから、一旦、賃貸に出すとしよう。数年、入居者さんが住んでくれる。その間に初期投資が回収できるかもしれない。

その状態が良ければ、貸し続けて、収益を上げ続けても良いし、退去された際に自分が使っても良い。

そういう流れで了承いただき、リノベーションを施し、賃貸市場にアタックする事にしました。

とは言うものの予算に限りがあり、これまたいつも仕事を頼んでいる会社に連絡してみる。

ざっくりと、これだけの広さでこれだけの予算なんだけど、受けてもらえるかな?

一緒に現地を見に行って、受けてくれる事が決まった。

ただ、予算が豊富ではないので、予算の範囲内でできる最大限にチャレンジしてもらうために、社内の若手を中心に据え、僕からはいろんなアイデアを投げない事にした。

デザインに携わってくれたフランス人のデザイナーは概ね、こんな事を言っていた。

今回の部屋は広さ的に、一人か二人で住まれるだろう。

賃貸のマンションは、通常、部屋が細かく間仕切られていて、部屋によって、ここは寝室だとか、ここはリビングだとか、住む前から決められている事が多い。

そんなん知らねえよと。もっと、空間は自由で良いはずで、住む人が考えて使えば良い。

だから、できる限り、空間を間仕切らずに、ワンルームとする。

こんな話だったと記憶している。

間仕切り壁があるのは、最低限で、浴室、洗面台、トイレ周りのみ。

その他は、玄関の少し先に木製建具で緩やかに視線を遮り、もう1ヶ所は、カーテンで緩く空間を仕切る。

いつの頃からだろうか、僕はいつか室内の間仕切りにカーテンを用いたかった。カーテンは少し向こうが透けて見えて、なんだか空間が色っぽくなって、好きなんだ。もちろん、カーテンの素材によるんだけど。

カーテンを窓際だけに使うなんて、もったいない。今回、僕からの発案ではないのに、こういうプランがあがってきて、とてもうれしかったのを覚えている。

そして、古くなった内装は解体して、躯体を剥き出しに。

解体後、壁にGLボンドが結構残ってしまったので、僕も含めた数人で現場に入り、GLボンドを丁寧に剥がした。とても良い時間だった。

自らの手を動かして、入居者さんが入る準備を整える。なんだか、気持ちまで整うように感じる。

また、コンセント類をいろんな位置に設置すると、費用がかかるので、キッチンの配管などを埋め込むために一部少し床をあげたところに集約する。

極力、無駄を省き、空間としての大きな可能性を手にする。

仲良しカップルや小さいお子さんが一人おられる仲良し家族。

ここでしかできない暮らしを考え、生活してくれる人。

部屋の間取りにライフスタイルを合わせるのではなく、ライフスタイルに部屋の間取りを合わせてたいって人。

素敵な部屋ができましたよ。

ああ、最後にタイトルの「レイドバックルーム」について。

レイドバックとは、ゆるい、くつろいだ、リラックスしたという意味なんだな。

コンクリートに囲まれた部屋に使う言葉か?ってね。

確かに、この空間がコンクリートの壁で何部屋にも仕切られていたり、ただのコンクリートの大空間だけの部屋だったとしたら、そうかもしれないね。

でも、この部屋は、間仕切りに壁を用いずに、大空間をカーテンと木製建具でゆるく、空間の仕切りすらも、ゆらぐように作られている。

仕切った方が空間の奥行きが出る事もあるのだ。

ここで暮らしてくれる誰かが、部屋の仕切りや用途なんかに捉われずに、
心も体もほどけて、ゆるい時間を過ごせますように。

・設計、施工 株式会社アトリエロウエ
・企画、仲介、管理 株式会社川端組

物件名 コウフハイツ片山
タイプ
面 積
家 賃
共益費
礼 金
敷 金
保証金
更新料
駐車場
所在地 吹田市片山町一丁目3-19
交 通 JR吹田駅 徒歩2分
構 造 鉄筋コンクリート造 陸屋根 5階建
完 成 1975年12月新築 2023年11月リノベーション
入居時期
取引態様 仲介(※成約の際、仲介手数料として成約賃料の1ヶ月分(税別)が必要になります。)
備 考 浴室、トイレ、洗濯機ベランダ設置可、2口ガスコンロ付キッチン、エアコン1基

保証会社加入要(どちらかのプランから選択)
初回のみプラン 初回保証委託料:月額賃料の 100%
毎年プラン 月額賃料の50%及び継続保証委託料:毎年1万円

火災保険加入要20,000円/2年 
再契約時、再契約手続料要 33,000円(内税10%、3,000円)/2年
退去時ハウスクリーニング代 33,000円(内税10%、3,000円)
情報更新日 2024年2月10日