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2017-01-05
#2の今回は、このプロジェクトを始める前に知りたかった事を
現大家さんに教えてもらったり、自分で調べたりして、
このプロジェクトが始まる前に思った事。
プロジェクトの根幹だ。
#1でも書いたように、お問い合わせくださったのは、お父さんとお母さんとお嬢さん。
でもね、実は、このアパートを建てられたのは、もう一世代前の世代の方なんです。
お嬢さんから見たら、おじいちゃん、おばあちゃん。
おじいさんは、東映の時代劇映画の監督だったそうです。
昔の話だよ。
当時、映画一本100〜130万の高給をもらわれていたみたいなんだけどね、
スタッフを祇園に引き連れて豪遊し続けて、そのことごとくを使い果たしてたんだってさ。
って感じで、Wikipediaに書いてあるけど、僕は表面的な部分しか見てないと思うんだな。
時代を考えてみてよ。
きっと、誰にもわからない、誰にも話せない、いろんなモンを背負っておられたんだと思うよ。
勝手に、そんな生き様を想像して、その美し過ぎる生き様に、胸が苦しくなった。
おじいさんの奥さん、すなわち、おばあさんは、お給料のことごとくを使い果たす、おじいさんを尻目に、当時月15万円の東映の専属料をこつこつと貯めてアパートを建てたんだって。
たぶんね、おばあさんはわかってたんだと思う。
こんな感じが続くはずないって。
だからこそ、現役中、献身的に陰で支えられてきた奥さんが、
旦那さんの引退後を考え、二人のために、アパートを建てられたんだと思う。
そして、引退後、現役時代の豪遊とはうってかわって、妻の建てたアパートの家賃で細々と暮らしたってWikipediaに書いてある。
悪意があるな。
アパートの名前は、太陽マンション。
実際ね、建設した建設会社の名前に太陽って入ってるんだ。
そこから、取っただけかもしれない。
僕は、こう思ったよ。
文字通り、引退後のお二人の生活を太陽のように照らし続けたアパート。
そんな建物に、今、もう一度、意味を与え、
そんな建物に、今、もう一度、命を吹き込み、
ここに暮らす人の毎日を、太陽のように照らすアパートへ。
仮にさ、百歩譲って、百歩譲ったとして、
Wikipediaさんの書いてる通りだったとしてもね。
未来で過去は書き換えられると思うんだよ。
だからさ、心意気としては、マンションのリノベーションはもちろんだ。
なんなら、おじいさんとおばあさんの生き様すらもリライトしたい。
なんなら、おじいさんとおばあさんを知る人の記憶すらリライトしたい。
そういう意気込みなのです。
※写真は、2016年12月12日、解体中のものです。