ここは、小さなワンルーム。

いきなりだけどさ、ワンルームマンション一部屋だけのリノベーションって難しいのよね。

なぜなら、世界観が構築しにくいから。

そりゃ、一棟ごとのマンションとか、ビル一棟とか、施設まるごととか、まち全体とか、
大きくなればなるほど、世界観はつくりやすい。

でも、今回は一部屋のワンルーム。

つくりこまなきゃいけないところとつくりこんだらいけないところ。
つくりこむところとつくりこまないところ。
つくりこめるところとつくりこめないところ。

こだわらなければいけないところ、こだわってはいけないところ。
こだわるところとこだわらないところ。
こだわれるところとこだわれないところ。

やらなければいけないところとやらなくていいところ。

できること、できないこと。

その議論に終わりはない。

それが、例え、たった、たった一つの部屋だったとしても。

だって、誰かが、そこに暮らすんだからさ。

それが、例え、みんなの選択肢の中にある、ほんの些細な物件の一つだったとしてもね。

できる限り、みんなに言い訳しなくていいように。

僕たちはプロとして、この議論を終わらせてはいけないと思う。

もちろん、予算もあるし、賃料設定もある。
常識もあるし、セオリーもあるし、法律もある。

その上で、最大限、踊らなければいけない。

じゃなきゃ、何のためのその道のプロだよ？

どんな業界、どんな立場にいる人でも、同じなんじゃないかな？

たった一回のこれでいいんじゃない？や、たった一度のまぁこんなもんでしょ？
で、いろんなものが静かに終わっていく気がする。

何度やっても、何度やっても、初心に返り、諦めずに、考えるべきだ。議論すべきだ。

仮にその時に答えは出なくても、その議論の先に、次の瞬間には何か生まれるかもしれない。
そして、その向き合う姿勢が、諦めない姿勢が、その想いが、部屋に光を当ててくれると思っている。

部屋からにじみ出る何かに繋がると思っている。

え？何と向き合う姿勢かって？

もちろん、部屋と。

そして、ここで暮らしてくれる、あなたと。

良くも悪くも、バレると思うんだよ。

そこに、愛があるか？ないか？ってね。

ちなみに、今回は、オーナーさんの愛も多分に注入されております。

ああ、タイトルの「エル」についてだな。

タイトルはだいたい、コンセプト的なところから来るよね？

だとしたら？

LOVE？
LIKE？
LIFE？
LIVE？
LADY？

どれかの頭文字？
そのどれでもない？

ううん、答えなんてあってもなくても同じさ。

大事な事は言葉にしなくても、説明なんてしなくてもさ、伝わるんだよ。

ねえ？

ここに住んでくれるかもしれない、たった一人のあなたには伝わるでしょ？

ねえ。

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