創業は、大正時代にまで遡ります。
様々な時代の変遷の中にあっても、お金だけにとらわれるコトなく、
大量生産、大量消費の波に流されず、オリジナリティーを重んじて、モノづくりを続けて来られました。
こだわって、こだわって、中途半端なモノは決してつくらない。
ブレない職人気質。そこには、モノづくりの精神がありました。
リノベーションさせていただく、何年前くらいだろう?
初めて、オーナーさんとお会いした時に、余談として、工場の方も見せていただいたんです。
その時、一目見て、その荒々しくも神々しい立ち姿に魅了されました。
それから時は流れ、その工場を閉鎖するというお話をお聞きしました。
どこから調べて来たか、様々な会社から、いろんなオファーがあったそうです。
解体して、新築の賃貸マンションを建てませんか?
取り壊して、コインパーキングにしませんか?
処分して、分譲マンションにさせてもらえませんか?
もちろん、スクラップ&ビルドの時代は終わった。
そんな理由でなく、ボクは思いました。
今の姿を生かし、この建物に、昔から受け継がれ続けている
モノづくりの精神を受け継ぐ建物として再生できないかと。
このプロジェクトが動き出しました。
オーナーさんの思い。
たくさんの思いが込められている建物を残したい。
若い人達が一生懸命、モノづくりに励む姿を応援したい。
一気にプロジェクトが加速しました。
そして、染工場は11コのアトリエ、オフィスの集合体に生まれ変わりました。
名称は「UN」
否定や反対を表す接頭語unとUnite
見た目にはちょっと尖って、取っ
独立
独立した作り手達が緩く繋がる、ひとつの独立国。
すべてを新しくするのではなく、古いトコロは、古いまま。
ここで、誠実にモノづくりを重ねられ、長い時間をかけて、熟成された、ひとつひとつの汚れや染みが、今でも輝いています。
例え、建物が一旦、その役目を終えたとしても、そこに宿る魂は決して死なない。
受け継がれる、モノづくりの精神は決して死なない。