2015-09-04

生きるビル。

突然ですいません。
そういう事なんですよ。

クリエイティブな人たちって、自分たちで描けちゃうし、作れちゃうから、
余計な事しなくていいんです。必要以上に作り込まなくていいんです。

作り込んだのは、ちょっと恥ずかしいくらい…。
押しつけがましいのは、イラっとする…。

ただね…大きい声では言えないんですけど、
そういう方々は建物そのものの持ってる力、見るんです。厳しい基準でね。
その建物の佇まいとか建物の持つ空気感とかオーラとか。

そんな感度の高い、厳しい目線を持つクリエイティブな人向けのオフィスあります。

別に誰がリノベーションしたわけじゃない建物。
昔のまんま、古いまんまですよ。

そこかしこに味が染みついています。
激動の時代を生きてきたから。

古いだけあって、室内もキレイじゃないし、内装もしなきゃいけない。
共用のトイレは和式だし…。

カーペットは剥して、天井は落として、ペンキ塗って…。
ホント、手のかかるやつだな。みたいな。

そういう奴ほど、かわいい。
そういう奴ほど、先生も覚えてる。

きっとね、建築された時から、付かず離れず、特にチヤホヤもされず、
でも静かに大事に愛されて来たんだろうな。

そんな顔してる。

あんたなんて興味ないよみたいな、素っ気ないフリして、
ホントはガッチリあなた色に染めてくれる、クリエイティブなあなたの登場を心待ちにしてます。

生まれてから35年が経った。
今日も、あいつは西の空を見上げながら、健気に生き続けています。