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てぃだマンションリノベーションプロジェクト#2

#2の今回は、このプロジェクトを始める前に知りたかった事を
現大家さんに教えてもらったり、自分で調べたりして、
このプロジェクトが始まる前に思った事。

プロジェクトの根幹だ。

#1でも書いたように、お問い合わせくださったのは、お父さんとお母さんとお嬢さん。
でもね、実は、このアパートを建てられたのは、もう一世代前の世代の方なんです。
お嬢さんから見たら、おじいちゃん、おばあちゃん。

おじいさんは、東映の時代劇映画の監督だったそうです。
昔の話だよ。

当時、映画一本100〜130万の高給をもらわれていたみたいなんだけどね、
スタッフ
祇園に引き連れて豪遊し続けて、そのことごとくを使い果たしてたんだってさ。

って感じで、Wikipediaに書いてあるけど、僕は表面的な部分しか見てないと思うんだな。

時代を考えてみてよ。

きっと、誰にもわからない、誰にも話せない、いろんなモンを背負っておられたんだと思うよ。
勝手に、そんな生き様を想像して、その美し過ぎる生き様に、胸が苦しくなった。

おじいさんの奥さん、すなわち、おばあさんは、お給料のことごとくを使い果たす、おじいさんを尻目に、当時月15万円の東映の専属料をこつこつと貯めてアパートを建てたんだって。

たぶんね、おばあさんはわかってたんだと思う。
こんな感じが続くはずないって。

だからこそ、現役中、献身的に陰で支えられてきた奥さんが、
旦那さんの引退後を考え、二人のために、アパートを建てられたんだと思う。

そして、引退後、現役時代の豪遊とはうってかわって、妻の建てたアパートの家賃で細々と暮らしたってWikipediaに書いてある。

悪意があるな。

アパートの名前は、太陽マンション。

実際ね、建設した建設会社の名前に太陽って入ってるんだ。
そこから、取っただけかもしれない。

僕は、こう思ったよ。

文字通り、引退後のお二人の生活を太陽のように照らし続けたアパート。

そんな建物に、今、もう一度、意味を与え、
そんな建物に、今、もう一度、命を吹き込み、
ここに暮らす人の毎日を、太陽のように照らすアパートへ。

仮にさ、百歩譲って、百歩譲ったとして、
Wikipediaさんの書いてる通りだったとしてもね。

未来で過去は書き換えられると思うんだよ。

だからさ、心意気としては、マンションのリノベーションはもちろんだ。

なんなら、おじいさんとおばあさんの生き様すらもリライトしたい。
なんなら、おじいさんとおばあさんを知る人の記憶すらリライトしたい。

そういう意気込みなのです。

※写真は、2016年12月12日、解体中のものです。