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2020-10-01
この話は、ロジウラハーフドマハウスの続きだよ。
ロジロジ物件の前後編の後編。
相変わらず、おじさんが登場するよ。
おじさんは近くにもう一軒あるからと言って、また、歩き出した。
そして、徐に路地の説明をしてくれた。
ざっくり言うと、道になっている路地と道じゃない路地があるって。
道じゃない方の路地は、人の土地だから、通らせてもらってるという事を忘れちゃいかんと。
路地ですれ違う人と挨拶をしたり、声をかけたり、するのは当たり前だと。
ここを通らせてもらう時は、いつも以上に、そこを意識していなければいけない。
そして、そういう話をしながら、おじさんはすれ違う人たちに挨拶をしている。
建物の中に人の気配を感じれば、ひょいと顔を出して、中の人に声をかける。
もちろん、僕も、それに続き、挨拶をする。
とても、大事なコトだ。
僕のちっさい時もそうだった。
同じ町内に住む人や近所の人には隈なく挨拶してた。
それが当たり前だったもんな。
そんな話をしてくれながら、まぁ、オマエならわかるだろうけど、という雰囲気が伝わってくる。
また、おじさんがドアをガチャガチャし出した。
また、僕の目の前には建物が。
さっきの家の事もあるし、目の前の建物の佇まいに期待で胸を膨らませていた。
ドアを開けた瞬間、その期待以上の美しい佇まいに驚いた。
比べて言うとしたら、さっきの家より、ずっと、ピュア。
もはや、原生林。
おじさん、ホント、いい建物を選ぶなぁって思った。
そして、ちゃんと建物を見て、直し方を選んでるなって思った。
さっき、会ったばっかりだけど。
ここはね、とても、シンプルだった。
もちろん、直すとこは直してるし、足すとこは足している。
でも、元の建物の良さを殺していない。
直し過ぎて、元の建物の良さを殺してんじゃねえの?って建物もあるじゃない?元の建物が窒息しそうになってない?元の建物の魅力どこに残ってんの?って直し方してるとこもあるじゃない?
最近は、スケルトンにして貸すなんていうチャレンジングな貸し方をしてるところもある。
もちろん、それは、いい意味でね。
そのどちらとも違う、以前からの建物の歴史をちゃんと未来に連れていく感じ。
圧倒的な存在感。
圧倒的な空間。
正直に言わせてもらうとさ、まちや不動産のレベルで考えると、例えば、賃料を払って、もしくは、建物を買って、それらを直して、事業をしようと思うと、京都はあんまり魅力ないまちだなって思ってる。難しい。
ちゃんとした事をやろうと思うと、だいたい、採算が合わない。
小さいまちだから、再開発もある程度、行き渡ってるし、僕が宝と呼んでいる掘り出しモノの建物も少ない。
でもさ、こういう建物がこういう状態で賃貸市場に出てくれるんならさ、京都も捨てたもんじゃないと思うよね。
ちょっと大袈裟かもしれないけど、路地奥ってとことか、織屋建だってとことか、北野天満宮近くだってとことか、上七軒歌舞練場の隣だってとことか、これ、もう完全に京都の不動産業界?京都の建築業界?が誇っていいやつじゃんか、とさえ思うんだよ。
どうせ、京都で何かやるんやったら、こういうとこでした方がいいと思わない?
もちろん、そりゃ、良い事も悪い事もあるかもしんない。
そのまち特有のルールやしきたり?面倒くさい?
でもさ、それこそ、そのまちで、その場所でやる事の意味なんじゃない?
はい、ここでやってくださいね~って、作られたハリボテのような場所で何かをやる意味なんてない。
ないよ。
実はね、今日、おじさんが事務所に来てくれたのよ。
どのくらいの賃料で募集するかとか諸条件の打ち合わせに。
諸条件が決まった頃に、おじさんは言うのよ。
ところで、文章は書けたんか?って。今日はそれを楽しみに来たんやって。
僕は言った。はい、とんかつをご馳走になった日の夜に書きましたって。
そこで始まったわな。
書いた僕を前にして、パソコンのモニターで物件紹介文を読むオーナーさん。
史上初やわ。
で、読み終えたおじさんが言ってくれた。
うまいこと書くよなって。今日はこれを読みに来たんやって。
でもね、実は、見てもらった時の文章の終わり方、あんまり納得いってなかったのよね。正直。
だから、遠慮なく、書き換えますよ。
それくらいのサプライズがあってもいいでしょ?
なんやろうな、おじさんに教えてもらった気がするんだ。
当たり前の事、当たり前の事をもう一回、ちゃんと、やらんといかんのじゃないかなって。
頭や電卓で、お金の計算をする前にやる事あるんと違うやろか。
世の中のいろんな情報に振り回されずに、自分にしかできない、やるべき事があるんやなかろうか。
例外なく、こんなご時世のあおりを受けて、うん、なんやろな、このままのやり方でいいんやろか?って20%くらい思い始めてた僕に、バカ野郎!そのまま行けよ!バカ野郎!って言ってもらった気がした。
急な展開やけどな、国民の皆様、一度、玉置浩二さんの「清く正しく美しく」って言う曲を聴いてほしいねん。
生きとるといろんな事が起きよるやん?否が応でも起きるよ。いい事ばっかりじゃない。今もそうやん?
そんな時に、自分に何ができる?
計算や打算ばっかりする己の頭は捨ててやな、自分の胸にそっと手を当てて、己の心が、何を清いと思って、何を正しいと思って、何を美しいと思うか。
もはや、ただただ、そういう事を信じて、やり続ける。
それだけしかないと思うんだよな。
なぁ、おじさん。
物件名 | 歌舞練場横の家 |
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タイプ | 一棟 |
面 積 | - |
家 賃 | - |
共益費 | - |
礼 金 | - |
敷 金 | - |
保証金 | − |
更新料 | - |
駐車場 | 無 |
所在地 | 京都市上京区御前通今小路上る馬喰町887番地34 |
交 通 | 京福電気鉄道嵐山本線 北野白梅町駅 徒歩10分/市バス 北野天満宮前停 徒歩5分/市バス 上七軒停 徒歩5分 |
構 造 | 木造瓦葺2階建 |
完 成 | 築不詳 |
入居時期 | - |
取引態様 | 仲介(※成約の際、仲介手数料として成約賃料の1ヶ月分(税別)が必要になります。) |
備 考 | 保証会社との保証委託契約要(初回:月額合計の100%、1年毎:月額合計の10%) 火災保険加入要(業種等により金額は変動) 町内会加入要 再契約手続料:賃料の半月分+税 募集用途は、オフィス兼居宅、アトリエ兼居宅(音の出る業種は不可) |
情報更新日 | 2020年10月21日 |